求人の相談
あらためてE.Sさんの転職活動ははじまったのです。
現在H.Kさんが在職しているのはメーカーの子会社、いわゆる力ンムリ企業で、フリーターから就職した会社としては、かなり条件のいいところです。
HKさんは、もし芝居と関わりのある仕事に就けるなら、給料は落ちてもかまわないし、転居もいとわないと言います。
確かにH.Kさんが芝居のことを話している時は、目の輝きが違っていました。
彼の芝居にかける気持ちというのは、ほんの数時間話をしただけでも、ひしひしと伝わってはきたのですが、果たして、H.Kさんの覚悟はホンモノかどうか、私たちは不安でした。
彼には、一度彼女に言われて就職を選んだという過去があります。
新しい彼女ができれば、今度は年齢的に結婚へと話が進むかもしれません。
その時に転職したことを後悔するのではないか、人生設計を間違えてしまったと思うのではないか、そういう懸念があったのです。
に入ってしまった、そのことを後悔しているのです。
人生設計と言いますが、興味の持てない仕事を続けていって、もし将来リストラされたとき、自分には何が残るのか、次に何ができるのか、そのほうが不安です。
芝居に関わるような仕事を続けられるなら、目標を持って仕事ができます。
必ず自分はこれをやった、これを成し遂げたという実績が作れると思うのです」そこまで言い切ったH.Kさんは、働いてみたいところに自ら売り込んでみますと、すぐに動き出しました。
2週間後。
H.Kさんが見つけた転職先は、なんと芸能学校でした。
子どもたちを対象に、歌や踊り、演劇のレッスンを行っている会社です。
面接では劇団の運営に深く関わってきた経歴を話し、それが採用の決め手となったそうです。
きっと、それを語る時の彼の情熱が、相手の気持ちをゆさぶったのではないでしょうか。
夢や憧れを実現するための、本当の意昧での覚悟がありますか?夢を持つ、夢に向かつて頑張るのは素晴らしいことです。
今までと違ったフィールドに夢を追うなら、リスクや犠牲にしなければならないことが数多くあるほうが普通でしょうo収入、ステ}タス、時間、住居、人生設計。
それらを考えても、どうしても挑戦してみたいというなら、うまくいくかどうかはともかく、一度トコトンまでやってみるのか人生の糧になるのではないでしょうか。
一方「本当にやってみたい夢」ではなく、「漠然とした憧れの夢Jで転職を考えている人は、転職活動の中で覚悟を試される瞬間がくると思います。
ただし、壁にぶつかったとしても、そこが終わりとは限りません。
転職を考えるようになった背景について、自分を見つめ直していけば、前段で紹介したE・Sさんのように、違った視点からの可能性が出てくるかもしれないのです。
適職診断テストの結果はけっこう診断結果に囚われてしまう人も多いのです。
て人事になりたいと言います。
転職しなぜ、人事なのかという質問に対し、彼は「適職診断の結果、自分に合っているのは、人事だとわかったからですJと、プリントアウ卜した1枚の紙を見せてくれました。
確認の質問をすると、S.Sさんはとたんにどうしたらいいのか答えに困ったという様子で、身をよじりはじめました。
ヒアリングを続けると、S.Sさんはこれまでの人生で、生の選択をしたことがないことがわかってきました。
自分自身で人親の薦めで中高一貫校に入り、大学は偏差値で決めました。
就職は、内定をもらった会社の中から「人気ランキング」の上位にある会社を選び、退職するのは会社の業績悪化のためです。
彼自身、自分の人生は自分で決めていきたいと思ってはいるのですが、これまでの流れで、何かに依存せずにいられないのでした。
適職診断を受けたくなる心理の中には、「今やっている仕事は続けたくないけれど、他にどんな仕事があるのかが、いまひとつよくわからないという面もあるようです。
他の仕事に触れる機会がなかったため、適職診断という方法で仕事を決めようとしたのでした。
確かに20代の転職者にとって、世の中にどんな仕事・会社があるのかはわかりにくいかもしれません。
新しい可能性を見つけるきっかけとしての適職診断は、悪い使い方ではないと思います。
面白そうだと思う仕事があったら、その仕事についていろいろ勉強してみると、周辺にさらに興味が持てる仕事が見つかるかもしれません。
ただし、適職診断の結果に縛られてしまっては、せっかくのチャンスを逃してしまいます。
関係の仕事がいいと転職に向けての希望を述べました。
診断結果はあくまで傾向値です。
たとえ複数の検査で閉じ結果になったからといって、職種・業界をピンポイントに絞る必要はありません。
たとえば、「自分はインドア派なので、外に出る営業は無理」と言う彼でも、インドア派が多い研究者相手の営業職であれば、実績を残すことができるかもしれません。
適職診断では、「自分はこういう性格なので、こういう方向性がいいかもしれない」という大枠がつかめれば十分でしょう。
ばならないという事実を知り。
早々に設計士は断念。
転職活動はプログラマーに戻るかどうかという点で、現在も迷い続けています。
診断結果をフムフムと見た上で、他にどんな仕事が世の中にはあるのかを、見渡してみてもよいのではないでしょうか。
仕事や会社選びにおいては、この本でも何回か述べているように診断結果以上に大切な視点が、まだまだたくさんありますよ。
先行き不透明な時代、会社が変わっても食べていけるよう、現在、第二新卒と呼ばれる20代の親の多くは、いわゆる団塊の世代にあたっています。
なかには50代でリストラされた親を持つ人もあり、そういう人ほど同じ轍を踏みたくないと、「スペシャリス卜」への転職を口にします。
い様を傍らで見ていました。
安定した大手企業に就職はしたものの、配属されたサービス企画部は1年やれば誰にでも覚えられる程度の仕事ばかり。
このままではホワイ卜カラーのゼネラリストだった父親と同じだと危機感を募らせていました。
システムの世界では、主流が汎用機からオープンシステムへ移行した時期、特殊な言語で開発をしていた汎用機のエンジニアが市場に溢れました。
半導体不況で合併が相次いだ時には、極めて専門的な化学知識を持つプロセスエンジニアが行き場を失いました。
専門性の高い仕事は、その専門分野に新しい技術が生まれた場合、業界が不況になった場合、失職のリスクが非常に大きくなります。
逆にゼネラリストは転職に不利にはたらくのでしょうか?たとえば、いま求人ニーズが高まっている分野に〈新規事業の立ち上げ〉や逆に〈不振部門の再生〉があります。
こうした求人は営業・経理・人事・事業企画など、多岐にわたる分野を包括的に見るという総合的な力を持つ人材が必要とされます。
そのためさまざまな分野の経験を積んできた人材が必要とされるのです。
世間では〈ゼネラリスト〉と呼んでいる人材を、です。
こうしたことから、転職市場を見る限り、スペシャリトがゼネラリストに勝っているとは必ずしも言えないのです。
もちろん、その逆も言えません。
こうした話は、C.Kさんにとって「目からウ口コ」だったようで、彼はしばらく固まったまま動くことができませんでした。
自分が伸ばしていきたい力はなんなのか、その問いに対するC.Kさんの答えは、最初の相談の場では見つかりませんでした。
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求人をご存知ですか?結構珍しい求人だと思います。